司法書士の偏差値ランキングは?試験の難易度や資格取得条件とは

法律の専門家として、登記や供託など幅広い業務に対応できる「司法書士」。難易度が高い国家資格として広く知られています。

そこで今回は、司法書士の難易度を徹底解説。合格率や合格基準から、他の国家資格との難易度比較まで、詳しくまとめています。

さらに、司法書士に強い大学や試験科目など、気になる項目を全て網羅。司法書士を目指す方、必見の内容です。ぜひ参考にしてみてください。

司法書士になるには?

まずは、司法書士になるための条件を確認していきましょう。

 司法書士になるには、原則として司法書士試験の合格が必須です。司法書士試験は、毎年1回、例年7月の第1日曜日に実施されています。

司法書士試験は誰でも受験可能です。年齢・学歴・性別など問わず、試験に合格すれば、誰でも司法書士の資格を取得できます。

司法書士の試験内容

次に、司法書士の試験内容を確認していきましょう。

司法書士の試験科目や出題形式を紹介しています。ぜひ目を通してみてください。

1司法書士の試験科目

司法書士の試験科目は全11科目です。司法書士の試験科目は以下の通りです。

  • 民法
  • 不動産登記法
  • 商法・会社法
  • 商業登記法
  • 民事訴訟法
  • 民事執行法
  • 民事保全法
  • 司法書士法
  • 供託法
  • 刑法
  • 憲法

司法書士の試験科目は「主要4科目」「マイナー科目」に分類できます。

主要4科目
  1. 民放
  2. 不動産登記法
  3. 商法・会社法
  4. 商業登記法
マイナー科目 憲法、刑法、供託法、司法書士法、民事保全法、民事訴訟法

司法書士の問題は全72問(択一式70問+記述式2問)です。

択一式70問のうち、主要4科目が占める割合は82%。民放・不動産登記法・商法・会社法・商業登記法から、52問出題されています。

司法書士の試験対策は、主要4科目が中心です。主要4科目の正解率を上げることが、合格につながります。

2司法書士の出題形式

司法書士の出題形式は「択一式」と「記述式」です。配点は択一式が210点。記述式が70点となっています。

以下、実際の問題例を紹介しいています。ぜひ目を通してみてください。

【択一式問題】

問題1 プライバシーに関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいも のの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。

ア、少年法第 61 条が禁止する報道に当たるかどうかは,その記事等により,不特定多 数の一般人がその者を当該事件の本人であると推知することができるかどうかを基準 にして判断される。

イ、刑事事件それ自体を公表することに歴史的又は社会的な意義が認められたとして も,ノンフィクション作品において当該刑事事件の当事者について実名を明らかにす ることは許されない。

ウ、大学主催の講演会に参加を希望する学生から収集した学籍番号,氏名,住所及び電 話番号は,大学が参加者に無断で警察に開示したとしても,プライバシーを侵害する ものとはいえない。

エ、住民基本台帳ネットワークシステムにより行政機関が住民の氏名,生年月日,性 別,住所等の本人確認情報を収集,管理又は利用する行為は,当該住民が同意しない 限り許されない。

オ、みだりに指紋の押なつを強制されない自由は,在留外国人にも保障される。

(参考)
少年法第61条 家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を 提起された者については,氏名,年齢,職業,住居,容ぼう等によりその者が当 該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙そ の他の出版物に掲載してはならない。

(1)アイ (2)アオ (3)イウ (4)ウエ (5)エオ

【記述式問題】

司法書士法務司は,平成 29 年4月 25 日に事務所を訪れたエッフェル販売株式会社 の代表者Aから,別紙1から別紙4までの書類のほか,登記申請に必要な書類の提示 を受けて確認を行い,別紙8のとおり事情を聴取し,登記すべき事項や登記のための 要件などを説明した。そして,司法書士法務司は,エッフェル販売株式会社の代表者 Aから,必要となる登記の申請書の作成及び登記申請の代理の依頼を受けた。 また,司法書士法務司は,同年7月7日に事務所を訪れたエッフェル・ジャパン合 同会社の代表者Hから,別紙5から別紙7までの書類のほか,登記申請に必要な書類 の提示を受けて確認を行い,別紙9のとおり事情を聴取し,登記すべき事項や登記の ための要件などを説明した。そして,司法書士法務司は,エッフェル・ジャパン合同 会社の代表者Hから,必要となる登記の申請書の作成及び登記申請の代理の依頼を受 けた。 司法書士法務司は,これらの依頼に基づき,登記申請に必要な書類の交付を受け, 管轄登記所に対し,同年4月 25 日及び同年7月7日に,それぞれの登記の申請をす ることとした。 以上に基づき,次の問1及び問2に答えなさい。

(問題1)平成 29 年4月 25 日に申請をした登記に関し,大阪法務局における登記の申請 書に記載すべき登記の事由,登記すべき事項,添付書面の名称及び通数並びに登 録免許税額を答案用紙の第1欄に記載しなさい。ただし,一の申請書で申請する ことができるものは,一の申請書で申請するものとし,かつ,登録免許税額が最 も低額となるように申請するものとする。

(問題2)平成 29 年7月7日に申請をすべき登記に関し,当該登記の申請書に記載すべ き登記の事由,登記すべき事項並びに添付書面の名称及び通数を答案用紙の第2 欄に記載しなさい。ただし,エッフェル販売株式会社に関する登記については, 記載することを要しない。

司法書士の試験では、択一式問題が全体の配点の75%を占めています。

しかし、択一式問題のみ勉強すれば良い訳ではありません。司法書士試験には基準点が設定されており、記述式問題で一定の点数を獲得できなければ不合格となります。

「択一式問題」「記述式問題」それぞれ出題形式に添った勉強が必要です。

司法書士の合格基準

司法書士の試験を受ける際、必ず確認しておきたいのが「合格基準」です。

合格基準を知っておけば、難易度が把握できるのはもちろん、適切な対策ができます。

ここでは、司法書士の合格条件や試験の特徴を解説。さらに、過去の司法書士試験から、基準となる合格点を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

1相対評価制度の試験

司法書士の試験は、相対評価制度です。

明確な合格点が決まっている訳ではなく、成績上位者の一部が合格となります。そのため、同じ得点をとっても合格するかどうかは、年度によって変わります。

23回の足切りが特徴

司法書士試験の特徴は、3回の足切りが行われることです。司法書士試験は、以下3部構成となっています。

司法書士試験の内容
  • 択一式 午前
  • 択一式 午後
  • 記述式 午後

    「択一式(午前)」「択一式(午後)」「記述式(午後)」それぞれに、基準点が設定されています。

    司法書士の合格には、3つの基準点を超えることが絶対条件です。もし1つでも基準点を下回ると、どれだけ高得点でも不合格となります。

    3平均合格点・基準点

    司法書士は相対評価のため、年度によって基準点・合格点が異なります。

    そこで、過去5年の司法書士試験データを元に、平均の基準点や合格点を算出。以下の表にまとめていますので、ぜひ確認してみてください。

    項目(配点) 基準点・合格点(得点率)
    択一 午前(105点 79.2点(75%)

    • H26:78点
    • H27:90点
    • H28:75点
    • H29:75点
    • H30:78点
    択一 午後(105点 72点(68%)

    • H26:72点
    • H27:72点
    • H28:72点
    • H29:72点
    • H30:72点
    記述 午後(70点 35.1点(51%)

    • H26:37.5点
    • H27:36.5点
    • H28:30.5点
    • H29:34.0点
    • H30:37.0点
    筆記試験合格点(280点 209点(75%)

    • H26:207点
    • H27:218点
    • H28:200.5点
    • H29:207点
    • H30:212.5点
    ※平均値は平成26〜30年度の数字を元に算出

    司法書士試験は280点満点です。過去5年の平均合格点は209点。正解率75%以上がひとつの基準となります。

    司法書士試験で不合格となる人は、択一式問題の基準点に達していない場合がほとんどです。

    記述式問題はボーダーが低いため、択一式問題の基準点を超えれば、司法書士試験の合格は一気に近づきます。

     ただし「択一式問題 午前」「択一式問題 午後」「記述式問題」それぞれの基準点を満たしても、合格点には達しません。

    基準点を超えることを最低条件としつつ、得意分野での加点が合格の鍵となります。

    司法書士の合格率・難易度

    司法書士の資格取得を目指している方の中には「合格率が気になる」という方も多いのではないでしょうか。

    そこで、過去10年間の合格率を表にまとめています。

    年度(受験者数) 合格率(合格者数)
    2019年(13,683人 3.6%601人
    2018年(14,387人 3.5%621人
    2017年(15,440 3.3%629
    2016年(16,725 3.2%660
    2015年(17,920 3.2%707
    2014年(20,130 3.1%759
    2013年(22,494 2.9%796
    2012年(24,048 2.9%838
    2011年(25,696 2.8%879
    2010年(26,958 2.9%948

    司法書士の平均合格率は3.14%です。

     司法書士試験は、数ある国家資格の中でも、トップクラスに合格率が低い試験です。

    年々合格率は上昇していますが、それでも約3%程度。非常に難易度が高い試験と言えます。

    司法書士の偏差値・国家資格ランキング比較

    司法書士は合格率が非常に低く、難易度が高い国家資格です。中には、他の国家資格の難易度や偏差値と比較したいという方もいるでしょう。

    そこで、主要国家資格の偏差値をランキング形式で表にまとめています。国家資格の難易度を比較する際の参考にしてみてください。

    国家資格 偏差値(2019年度合格率)
    弁護士 75(33.6%)
    司法書士 74(3.6%)
    税理士 70(18.1%)
    弁理士 70(18.3%)
    公認会計士 69(10.7%)
    中小企業診断士 63(18.3%)
    社会保険労務士 626.6%
    行政書士 5911.5%
    FP技能士1級 57(8.45%)
    宅地建物取引士 5517.0%

    司法書士は、数ある国家資格の中でも、トップレベルに難易度が高い資格です。

    とくに合格率の低さが際立っており、合格には膨大な勉強が必要となります。

    ただし、司法書士試験は誰でも受験可能です。年齢など一切の制限がなく、実力さえあれば学歴に関係なく合格のチャンスがあります。

    テストは完全実力主義のため、努力が反映されやすい資格と言えるでしょう。

    司法書士試験に強い大学は?

    司法書士を目指している方の中には、司法書士試験に強い大学を探している方も多いのではないでしょうか。

    そこで、司法書士試験に強い大学を表にまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

    大学名 合格率(合格者数/受験者数)
    1、京都大法科大学院 62.7%126人/201人
    2、一橋大法科大学院 59.8%67人/112人
    3、東京大法科大学院 56.3%134人/238人
    4、慶應義塾大法科大学院 50.7%152人/300人
    5、愛知学院大法科大学院 42.9%3人/7人
    6、早稲田大法科大学院 42.1%106人/252人
    7、大阪大法科大学院 41.1%46人/112人
    8、東北大法科大学院 38.5%20人/52人
    9、名古屋大法科大学院 37.3%25人/67人
    10、広島大法科大学院 35.9%14人/39人

    司法書士を目指せる大学に通うことは、司法書士試験合格への有効な選択肢です。

    大学によって合格率は大きく変わるので、進路選択の際、司法書士に強い大学を選ぶのも良いでしょう。

    もちろん、司法書士合格は独学でも可能です。合格に学歴などは一切関係ありませんので、自分に合った勉強方法を考えてみてください。

    【まとめ】司法書士の難易度

    ここまで、司法書士の難易度について解説してきました。

    司法書士は他の国家資格に比べて、非常に難易度が高い資格です。合格率は約3%と非常に低いため、対策には十分な時間をかけましょう。

    難易度は高いもののの、テストは完全実力主義。得点さえ獲得できれば、年齢や学歴にかかわらず資格を取得できます。

    ぜひこの記事の内容を参考に、司法書士の資格取得を検討してみてくださいね。

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